がん治療の1つとして分子標的薬治療を取り入れています。
分子標的薬治療というのは、私が獣医師になった頃には一般的ではなかった治療ですが、
今や外科手術・抗がん剤治療・放射線治療に続く第4の治療法として確立されました。
今までの抗がん剤治療は、がん細胞の増殖を直接阻害し効果はもちろんあるのですが、正常な細胞にも害を与えてしまうので副作用も大きいという欠点があります。
その点分子標的薬はがん細胞だけに発現している部分を標的にして、がん細胞の増殖を抑えることができる為、正常な細胞への影響が小さく副作用が少ない特徴があります。
また、自宅でお薬を投与できる為、通院での治療が可能となります。
最近では、承認されてる犬肥満細胞種以外の腫瘍にも効果報告があり、補助治療の選択肢となっています。
ただ、全てのがんに効果があるわけではなく、まだ人医療も含め分子標的薬治療の歴史が浅いため、
使用に関しては注意点も多いのが現状です。
分子標的薬に関してお聞きになりたいことがあれば、ご相談ください。
もし飼っているペットちゃんががんにかかってしまったら、とてもショックを受けるかと思います。
治療をしてのメリット・また副作用などのデメリットを相談しながら飼い主様とチームになって、ペットちゃんのケアをしていきたいと考えております。