FIP(猫伝染性腹膜炎)は、ほとんどの猫が保有している猫腸コロナウイルスが猫伝染性腹膜炎ウイルスに突然変異し、さらに発症してしまうと重篤な症状を引き起こす病気です。発症したにも関わらず無処置のままでいると、10日程度でほぼ100%で死に至りま す。
FIPの治療法は長年確立されていませんでしたが、人間の新型コロナウイルスの流行により治療薬の研究が進み、人間用のコロナウイルス治療薬として「モルヌピラビル」が2021年末に厚生労働省の特例認可を受けました。
モルヌピラビルがFIPにも効果を示すことが分かってきており、当院でもFIP治療の選択肢としてモルヌピラビルを使用しています(※)。
※副作用や予後についてまだ分かっていない事が多い新しい治療法です事が多い新しい治療法です
※当院では、モルヌピラビル以外のFIP治療薬は取り扱っていません
飼い主様に症状や発症時期等を伺い、その情報を元に必要な検査内容をご相談します。また、一般的な身体検査(視診・聴診・触診)を実施し、発熱・目の病変・腹水などのFIPでよく起こる症状がないかを確認します。
血液検査にて赤血球や腎臓・肝臓の異常を確認します。また、エコー検査にて、臓器のできもの(肉芽腫)・腫瘤・胸水などの有無を確認します。
炎症マーカーの測定も行います。
血液や腹水などを使って猫コロナPCR検査を実施します。比較的すぐに画像結果はわかります。また、血液検査などを見てもFIPと診断できるほどの症状がない場合は病理組織検査・免疫組織化学染色をする場合があります。この検査で陽性となれば、ほぼ間違いなくFIPと診断できます。
FIPではない他の病気の可能性も含めて鑑別し、診断を行います。FIPであればその後、今後の治療についてご相談させて頂きます。
10万円~20万円(検査費、診療費、薬代など含む)